費用

当社が売り上げを増やすということは、クライアントから見ればコストが増えることです。つまり、クライアントの利益と当社の利益は対立します。この対立を解消する唯一の方法は、成果を出すことです。クライアントの財布から自社の財布にお金を移すのではなく、成果をもたらし、その成果をシェアするのです。より高い成果を出すことで、両社が利益を得られるプロジェクトになります。お互いが利益を綱引きするのではなく、一緒に利益を増やすパートナーにならなければ信頼関係も生まれず、良いプロジェクトにはなりません。

正しい見積もりとは、クライアントの成果を見積り、自社の貢献利益を見積もり、その範囲の中でコストに自社の利益を加算した金額を算出することです。
だからこそ、私たちは成果にこだわり続けています。

貢献利益 コスト 見積もり額の範囲

見積りの考え方

一般的に、見積もりとは費用の見積もりです。しかし、その根拠として成果の見積もりがあり、貢献利益の見積もりがあり、工数(コスト)の見積もりがあります。ワークフロー全体を見通さずして正しい見積もりは出来ません。

正しく貢献利益とコストの間で見積もるために、ポイントが2つあります。

段階的に見積もる

ウェブ制作のような場合、どのようなサイトを作るのかが明確に定義されていないのに、サイトリリースまでの工数、コストを洗い出すことはできません。作業内容が明確になった段階で、その範囲の工数、コストを見積ります。そのため、サイトの企画段階、コンテンツ制作段階、サイト制作段階などで、何回かに分けて、次の工数が明らかになった時点で見積もります。

費用>工数>成果の対応を明確にする

デザイン一式、というような見積もりになっていると、作業量が見えず、実際の工数とのずれが大きくなってしまいます。そうならないように、極力作業を細分化して工数を洗い出し、どのページのデザインがいくら、ということが分かるように見積もります。

さらに、より成果に貢献することが見込まれるような作業については、その説明が必要です。万一費用を削減するためにこの工数を削減したら、成果も削減される、ということを明示します。
「このコンテンツを作るのは、特定のユーザーに何を伝えて、CVRを向上させるためだ」、というようなことが明確に説明できるようにしています。

コストを減らす

費用を減らすには、作業を減らすことです。しかし、通常成果を高めるには作業も増えます。つまり、成果を高めることとコストを減らすことはトレードオフな関係にあり、両方を高いレベルで成立させることは出来ません。あくまでどこでバランスを取るか、ということです。

しかし、実は成果を減らさずにコストだけを減らす方法があります。それは、「成果につながらないコスト」を減らすことです。たとえば、以下のような作業を減らすことでコストだけを減らすことができます。

このような作業はすべて成果には繋がらず、コストのみを押し上げます。クライアントを納得させるためだけの作業です。無くなっても成果は減りません。信頼関係さえ築くことが出来れば、減らせるコストなのです。

同じように、クライアント側の工数の削減も考えます。必要な資料やデータをいただくときにも、極力お手間をかけないように、最悪無くても良いものはそのニュアンスをしっかりと伝えます。これによって、クライアントに余裕が生まれ、必要な作業の品質が高まります。

工数を減らす

社内コストとの比較

多くの中小企業にとって、イノベーションは初めての経験でしょう。会社の歴史上、始まって以来の大きな取り組みですから、そこにかかる手間や費用の想像がつかないでしょう。イノベーションの費用は、大きく以下の3つの視点で考えてみてください。

1.社内で出来るか(どのくらい難しいか)

イノベーション全体のプロセスを考えてみましょう。調査・分析から始まり、事業のコンセプト作り、商品開発、販売計画、ウェブサイトの企画・制作、社員の教育・研修、運用・・・。かなり多くの作業があります。これらを掌握し、全体最適の視点で、バランスよく運営するには、ビジネス、デジタル、デザインの広く深い知見が必要です。DXの必要性が叫ばれる中、それが実現できるリーダーとなる人材がほとんどいないと言われているように、実際にこれらをハンドリングできるような人材は希少です。

2.社内でやるならいくらか(どのくらい手間がかかるか)

上記にも関連しますが、社内でやる場合のコストを考えてみましょう。例えば、1000万円程度の費用が掛かるとします。この費用は社内の人件費に換算すると、何人分の費用でしょうか。年収300万円程度の新入社員を雇用した場合、トータルでは500万円程度の費用が掛かるのが普通です。そう考えると、1000万円は新入社員2名程度のコストと考えることが出来ます。そのくらいの費用で、何名もの専門家が働いてくれるなら安いと言えます。

3.どのくらい時間を節約できるか

イノベーションに際して、実はもっとも重要な視点は時間を買う視点です。イノベーションを実現するということは、家やビルを建てるようなものです。相当な時間と労力が必要です。そのため、社内の人材だけでイノベーションを実現しようと思ったら、1年のつもりが5年かかってしまった、というような話を聞きます。全力を注げるわけではありませんから、当然のことです。この時間を費用に換算するとどのくらいの価値があるでしょうか。例えば、年間1000万円の赤字を出している場合、イノベーションを4年早く実現できれば、4000万円の節約ができたと言えます。
このように、イノベーションは1年で実現できるわけではありませんし、その成果も1年で終わってしまうわけではありません。そのため、イノベーションの費用は期中の利益から捻出するのではなく、これまでの利益の蓄積から捻出するのが普通です。決算書で言えば、P/LではなくBSから支払うという意味です。

リニューアルタスク表

多くの案件では、イノベーション戦略立案とウェブサイトの制作が含まれます。そのため、当社ではそこに必要な作業をリスト化し、標準的な見積もりとしてお客様に提示しています。

大きく、3つの段階に分かれます。

ご相談、調査・分析、戦略立案、商品・サービス開発

ヒアリングと調査分析から、新しい事業の企画、商品開発までの事業開発フェーズ群です。最低でも半年、長ければ2年程度かかります。成果を最も左右するフェーズ群です。

コンテンツ企画、ウェブサイト企画

新規事業の内容をコンテンツ化し、ウェブサイトでの表現方法までを企画するフェーズ群です。消費者への伝え方を定義するフェーズで、事業の成長速度や規模を大きく左右します。

コンテンツ制作、ウェブサイト制作、サイト公開、サイト運用

制作、運用フェーズ群です。多くの人が関わるため、ディレクションの巧拙でコストパフォーマンスが変わります。クライアントへの専門的な教育をともなう場合もあります。